あの世に向かう「コトバ」
先日、主人の実家に帰ったときにNETFLIXで見た『黄金の羅針盤』!
結局実家じゃあ落ち着かずに映画は全然見れなかったんだけど。。
ライラの冒険三部作の第一部が7年前に映画化されてたんだね!
これを読んでたの20年前?!なんと……子供の頃読んだ物語って、覚えてるもんだなぁ!!
懐かしくて、20年ぶりに続きを読んだけど、細かい部分はやっぱりうろ覚えで(笑)これ誰やっけ…と思いながらも大人になったらなったで「うわ!!!これすごい!!」と感動しながら読めました。
第三部を読むのが楽しみだ!!
子どもの頃は「ファンタジー」のワクワク感とか不思議な世界に夢中になってたけど、大人になるとその「不思議さ」と目の前の「現実(人生経験)」が重なってきて、ほんと面白い。
物語の鍵を握るアイテム、第一部が「真理計」と呼ばれるコンパス(羅針盤)。
魔女が出てきたり魔法のレッスン(うろ覚え)があったりでメルヘンな気持ちで、憧れてた記憶があるんだけど、第二部はそれが素粒子や物理学のアレコレと絡めて出てきたあたりグググーーっと魅力的になった。
第一部にもそういう描写があったかもしれないけど、子どもの私の目にはそれを含めてファンタジーでしかなかったのかも。
宇宙の90%以上を占める、世界を構成する未知なもの「暗黒物質(ダークマター)」。素粒子の不思議な動き。そこにあるはずなのに、見えないもの。
そういったものに対する「大人」たちの恐れ、野心、欲と権力の争い……
子供と大人とで同じ世界に生きていても見えてるものが違う。それをドキドキする物語、ワクワクする冒険、ほろっと胸打たれる愛のコトバで紡げるのが、スゴイ。
人間の心理を、世界の真理を、自然の叡智と、学びを、それと気付かないうちにダウンロードしてくれる。物語って、スゴイ。
↑コトバと物語の持つ「チカラ強さ」
あと、この漫画もビックリした!!!漫画ってあんまり読んだことなかったけど、最近ハマってる。
「海獣の子供」も映画化されてた。
はっきりとした(敵がいて、目指す目的地があって、というような)ストーリーが無い!淡々と、世界に満ち満ちている謎が、投げかけられている。ひたすら美しい自然の姿を通して。
特に「生命の謎」がテーマかな。
ワレワレはどこから来たのか。今、どこにいるのか。そして、どこに向かっているのか。
宇宙の構成と、人体の類似。海の底と、宇宙の果てに意識を向けて、気の遠くなる不気味さと永遠の孤独すら愛おしく思える感動を味わえる漫画。
心理学その他、「海」は無意識だとかあの世のシンボルとして人の心にある。
でもね、海(あの世)から見ると陸(この世)は死の世界。
波打ち際は生死の境界線。その視点が衝撃だった。
ちょっとオカルト界隈でギャーギャー言われている、ムーンショット計画。「肉体を離れて、意識の世界へ」という方向性が、海(この世)から陸(あの世)に移行するパラダイムシフトに似ているな~、とぼんやり考えたよ。
ムーンショット型研究開発制度 - 科学技術・イノベーション - 内閣府
賛成!とか反対!とか、そういうのん抜きにして。
あの世に行くだなんて信じられない、ってのが海にしか生きられないワレワレのフツーの感覚なもんで。それでも生物は海から陸に進んだやつらがいて(みんながみんなじゃないってだけで)、それなりに発展(陸に進んだ側からすると)できたわけで。
あの世のあの世に、移行しようとしているんなら、とんでもないタイミングに(陸の生物として)生まれてきたもんだなー!と感動でもある。
でも、生物全体像で言えば、こういう変化はざぶん!とかわるわけじゃなく、(各タイミングでざぶん!は感じるんだろうけど)ものすごい時間をかけて(人間のライフスパンで見た時間では)すようやっと住み分けがされていくだろうからさ。
先行部隊は、わざわざ「この世」を離れる、生命を手放すリスクを冒すわけよ。この「ありえない」行為を促すのはなんなのか。ってのを『海獣の子供』では「好奇心」と言っている。
それだけ?
そう、それだけ。生命を揺さぶる、抑えきれない好奇心。
これ、遺伝子レベルで組み込まれている本能なんじゃないかな。つまり、宇宙由来の意思。
遺伝子に組み込まれている、「みんなとつながりたい遺伝子」と逆方向の動きを促す「みんなから離れたい遺伝子」が、それなんじゃない??と思ったり。
波打ち際と境目、といえば民俗学。
それを「文字」と「時間」と「心」で見つめたこの本を思い出した。
人類の歴史のタイムラインの中で、心の世界をすっかり変えてしまった「特異点」が文字(書き言葉)の出現なんじゃないか、というハナシ。
で、次はなんだ?そろそろ出てくるぞ。っていう予感。
「時間」の感覚をひっくり返す、ナニか。特異点。
コトバが「聴覚情報」から「視覚情報」に進化して、そいで次はなんだ?!
もしや!!!「触覚(身体感覚)」じゃねぇか?!!って、今ふと思ったよ。
コトバが「視覚情報」になることによって、ニンゲンの持つ「過去」と「未来」に時間の幅がグイィィーーっと伸びて、次は「身体情報」のコトバによってニンゲンの持つ「今この瞬間」という時間の密度がグオオゥゥーーー!!っと濃くなる。
それはこれまでの(視覚情報を手にする以前の)「今ココ」感覚とは全くもって似て非なる感覚なんだろう。過去、未来、現在を「超えた」(次元上昇)「今」の感覚。
時間が全部「今」に含まれる、コトバ。
この宇宙人の「メッセージ」、宇宙人語として描かれたコトバは結局「図」だったけど。感覚はこの方向性だきっと。
おっもしろーーーーー!!!