ことばのおもしろさ研究所

語学好きな母ちゃんが、子どもの言葉の成長と外国語学習の奥深さ、心に響いた本なんかを記録しているブログ。

日本語を、あそぶ!

目次から、もう面白そう。 

kotoba (コトバ) 2012年 10月号 [雑誌]

kotoba (コトバ) 2012年 10月号 [雑誌]

  • 発売日: 2012/09/06
  • メディア: 雑誌
 

 [特集]

日本語を「あそぶ」

 

「あそび」のある言葉の大切さを知ること

谷川俊太郎

言葉がすっかりインフレーションを起こしてしまっていて、意味がどんどん希薄化している

言葉あそびのプロフェッショナル、谷川俊太郎さんのインタビューより。言葉で遊ぶことも大事だけど、それ以上に言葉にあそびをもたせることも忘れないでいたいね、と締めくくっていた。

 

潤滑油としての「あそび」がまったくない言葉は、意味は伝わっても、人の心にも腑にも落ちてこない。

 

kotokotoba.hateblo.jp

情報(ことば)が簡単に手に入れられる時代だからこそ、情報そのもの(知識)の価値が昔ほど高くない。正しいかどうか/何を言うか、よりも、その言葉にリアリティがあるのかどうか/誰が言っているのか、の重要度が増してきている。

 

「いい加減さ」が求められる時代

鈴木孝夫

唯一絶対の真理を追究する自然科学をするには、同じ一神教的構造を持つヨーロッパの言語が向いているし、日本語が「低く」見られていていたかもしれないけど、これからは「多様性の価値を認める」「精神的な豊かさ、幸せを求める」時代だから、ちょっと日本語も見直したらいいんじゃない?ってはなしが最後にあった。

 

鈴木先生は、日本語は論理的ではないという主張に真っ向から反対する。日本語には日本語の論理がある。

初めて読んだ本はこれだったかな?私も無意識に「英語=論理的」「日本語=あいまい」みたいなイメージを持っていたから、結構衝撃だった!

ことばと文化 (岩波新書)

ことばと文化 (岩波新書)

  • 作者:鈴木 孝夫
  • 発売日: 1973/05/21
  • メディア: 新書
 

 相撲レスラーを陸上競技の価値基準で棒高跳びの選手と比較するようなもんなのかもしれない。

 

日本語の「いい加減」とか「あいまいさ」といえばこの本。

 

日本語は曖昧か

外山滋比古

「 東大・京大で一番売れた本」って帯で人気になった(?)この本の著者の、エッセイっぽい文章。発売日1986年?!!そんな昔の本だったか!!オドロキ。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

 

 

私が何回も読み返す外山先生の本は、これ。

ライフワークの思想 (ちくま文庫)

ライフワークの思想 (ちくま文庫)

 

 現代人って「ことば」に振り回されてるよねって視点を初めて知って「ほぉぉー!!」ってなった。「忘れる」とはどういうことか、とか。

 

自分の中に「日本語のプール」をつくる

斉藤孝

精神の強さは、自分の内側に蓄積されている言葉の量と質に深くかかわっている

 

はっきりとしたかたちを持たずに、揺れ動く「心」を支えて導いてくれるのは、くっきりとしたかたちをもった言葉。

 

かたちとしてのコトバと、その裏にあるかたちのない世界、ってのは私のずーーっと追いかけているテーマでもある。

kotokotoba.hateblo.jp

 

思考の糧にできる言葉をたくさん蓄えてあれば、自分の心の支柱をたくさん擁していることになる。

 

斎藤先生はNHKにほんごであそぼも監修している人だけど、「子ども向けにことばを選別する」ということはしないらしい。子どもは意味が分からなくても面白いと思えば耳で覚えるし、チャレンジしがいのある楽しい遊び道具を増やしていく感覚、とのこと。

 

「子ども」や「ことば」のプロフェッショナルに共通する「子どもに子供向けは必要ない」ということば。

kotokotoba.hateblo.jp

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

  わかりやすく、かみ砕いて与えてあげたい、と親切心で思っちゃうんだけどね。そういえば、視覚教材やわかりやすいビデオコンテンツのeラーニングの普及が読解力を低下させているんじゃないか、って意見もあるらしい。

 

AIに負けない子どもを育てる

AIに負けない子どもを育てる

  • 作者:紀子, 新井
  • 発売日: 2019/09/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

 

 いまは大量情報化の時代です。クラウド技術が発達し、情報は外に置いておいて、必要なときに引き出せばいいという考え方が浸透してきています。確かに情報整理にはそのほうが便利です。

 けれども、言葉を自分のものにしようと思うならば、情報扱いして外に置いていてはダメです。やはり自分の“裡(うち)”に入れること。自分の中にあるからこそ、自分とその言葉が一体化して、自分が豊かになる。自分の中にあるからこそ、遊び道具になり、心の支えにもなるのです。

 

 自分の中にとって置くことばってのは、「記号」以上のもの。

kotokotoba.hateblo.jp

 

他にも、コメント力とかほめ上手のポイントも書かれているんだけど、やっぱり言葉の使い方が人間関係を良好に結べるかどうかのカギになってくるんだな。

 

「この人のこの言葉は絶対に消去できない」と相手に思わせること

 

統計の世界でも、「人間の幸福度はその人の人間関係で決まる」と言われるくらいだもん。

 

ことばの触感を楽しむ

黒川伊保子

言葉の身体性(語感)に注目したはなし。あれ、聞いたことあるな・・・と思ったら、3年前のブログにあった!

 

sonogono.jugem.jp

 

「言霊」ってのは「語感」にフォーカスした人間的反応のことなのかも。

 

発音とイメージは別物じゃないよ!!ってのは、外国語にも言えるわけで。耳からゴガクするってのは、イメージの定着にもGOODってわけだ。

 

最近、私は乳首をコレクションしている。

 

私的には「乳首」のはなしが最高に面白かった。それとは書いてないけど、ミラーニューロンの働きにも関係することが書いてあった。

 

赤ちゃんは、話しかけられると、その表情筋をそのまま脳裏に映しとる。授乳中話しかけられたことばの触感を、そのまま舌でなぞらえている

 

顔を見せて、自分の声帯で、話しかけるってのは、人間がことばを習得するためにこの上なくダイジなのだ。母語の基礎がここでできるんだから。

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

マスクをしてたら、口元見えないんだよなー。。。

 

人生を遊べるのは、言葉を遊べる人

武田双雲

ずっと悩んでいる人、生き方に詰まっている人に共通して感じるのは、人生に詰まっているのではなくて、「言葉に詰まっている」ということ。思い込みがはげしすぎて言葉に対する柔らかさがなくなっています。

 

ああ、そうか!私はカードや記号で「言語化」をすることで問題解決をするゲームをやってるんだけど、それってこういうことなんだよね。

 

 

kotoba(コトバ) 2019年 春号 [雑誌]

kotoba(コトバ) 2019年 春号 [雑誌]

  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: 雑誌
 

 これもおもしろかった!