ことばのおもしろさ研究所

語学好きな母ちゃんが、子どもの言葉の成長と外国語学習の奥深さ、心に響いた本なんかを記録しているブログ。

東のはてで西のはての年代記を読む(はて、はてとはての境目ははたして西なのか?東なのか?)

光は力だ。偉大な力だ。

われわれはそのおかげでこうしてあるんだもの。

だけど、光はわれわれが必要とするからあるんじゃない。

光はそれ自体で存在するんだ。

太陽の光も星の光も時間だ。時間は光なんだ。

そして太陽の光の中に、その日々の運行の中に、

四季の運行の中に、人間の営みはあるんだよ。

 

たしかに人は暗闇で光を求めて、それを呼ぶかもしれない。

だけど、ふだん魔法使いが何かを呼んでそれがあらわれるのと、

光の場合とは違うんだ。人は自分の力以上のものは呼び出せない

だから、いろいろ出てきたとしても、

それはみんな目くらましにすぎないんだ。

実際にはありもしないものを呼び出すこと、

真の名を語ってそれを呼び出すことは、

ちっとやそっとではできないことで、

だからその術は決して軽々しく使ってはいけないんだよ。

 

 

ゲド戦記は少年が才能に目覚めて魔法使いに弟子入りして、なんやかんやあってすごい力を自分のチカラとして取り込むっちゅう、ファンタジー物語。ファンタジー、優れた子どもの物語の特徴は、「この本のテーマは〇〇です」とは絶対に明記しないこと。これは愛についてメッセージが込められています、とか「自分らしく生きる方法について考えさせる狙いがあります」とは絶対、絶対、書いていない。(訳者あとがきとかには書いてあるかもしれないけど)

 

不思議な世界で繰り広げられるドラマ、展開、魅力的な登場人物や感情の起伏にシンクロして楽しむのはもちろん、大人にはまた別の視点からも楽しめるのが、子どもの本

 

 ※子供に気に入られるよう簡略化した刺激の強いデザインやキャラクターを「子ども向け」と捉えられているのなら、私の言う「子どもの本」は全く意味が違う。大人のモラルを「教える」ものも、違う。

 

子どもの本のもつ力:世界と出会える60冊

子どもの本のもつ力:世界と出会える60冊

  • 作者:清水 真砂子
  • 発売日: 2019/06/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ファンタジーの世界ってのは、目の前のリアルな現実(A)をとことん見つめた目を、ずんずんずんずんズームアウトして、めちゃくちゃ大きな枠で捉えたあとで、そこからまたピントをずらしてかなり至近距離までズームインした現実(A’)なんだと思う。

 

だから目の前の現実とかけ離れている世界を空想世界に描いているようで、実はそうじゃない。全く同じ世界を、ほんの少しずらしただけのリアルな現実なのかもしれない。

 

別の層の現実というか、パラレルワールドというか。

 

 

ゲド戦記を書いたアーシュラ・K.ル=グウィンの物語には「コトバ」に対する強い信念というか、逆に無力感というか、とにかく「コトバ」に全身全霊、命がけで向き合っているオーラがある。

 

どんな力も、すべてその発するところ、

行きつくところはひとつなんだと思う。

めぐってくる年も、距離も、星も、ろうそくのあかりも水も、

風も、魔法も、人の手の技も、木の根の知恵も、

みんな、もとは同じなんだ。

わたしの名も、あんたの名も、太陽や、泉や、

まだ生まれていない子どもの真の名も、

みんな星の輝きがわずかずつゆっくりと語る偉大なことばの音節なんだ。

ほかには力はない。なまえもない。

 

ゲド戦記で出てくる「魔法」は「コトバ」の力を発揮した現象として描かれる。魔法が使えるというのは、真の名を知っていること。

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

 でもね、正直ゲド戦記の物語はなんだか「あからさま」感があってあんまり・・・興奮するほど好きにはならなかったのよね。コトバに対するグウィンの信念にはすごく惹かれて、読み終わってすぐエッセイも借りちゃったんだけど。

 

 

 

 

でもね、この3部作は・・・めちゃめちゃドキドキした!!!!!!

 

 

ハラハラというか、主人公と一緒に不安になったり心かき乱されたりしながら読んだよ。第1巻、『ギフト』は「才能」や特別な能力にまつわる物語。

 

 

ヴォイス (西のはての年代記 2)

ヴォイス (西のはての年代記 2)

 

 『ギフト』もそうだけど、やっぱり「コトバ」のチカラが背景にある。

『ヴォイス』は違う価値背景を持つふたつの民族の衝突が描かれているんだけど、私は話し言葉と書き言葉についてもちょっと考えた。

 

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音で出来た合図としての「コトバ」と、書き残された「コトバ」、どっちが優れているとかイイとかワルイとか、そういうハナシではないのだけど。

 

パワー (西のはての年代記 3)

パワー (西のはての年代記 3)

 

『パワー』は、人が人に及ぼす「力」がストーリー核になっている。

 

価値観や立場が違う色んな登場人物に出会う。私はそれぞれの「世界」に、物語を通して出会う。誰か(たいていは主人公)に自分の目をシンクロさせることで他の世界を見る。それが物語の楽しいポイントなんだけど、実はもっとすごいのは、それを客観的に見る視点(本を読んでいる私)も同時に存在すること。読書って、物語って、実はものすごいことをやってのけてるんじゃないか!!?

 

ホモサピエンスの認知革命はフィクション(物語)の発生によるものだ、ってのがドシンと腑に落ちた。これはすごいことだ。

 

自分の肉体を通した自分の目と、物語の中に登場する複数の人の目と、その目を借りる自分の目を意識したもうひとつ上の層から眺める自分の目。

 

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そのすごさを存分に味わえる3部作でした。

オンライン英会話サークルやってます

カフェではじめた英会話サークル、状況が状況なのでオンラインにも挑戦してます。

 

オンラインの課題

間合い

複数人同時に音が入ると、片方の音が消音モードみたいになって大きい方をピックアップされちゃう。誰かが喋ってるときは相槌でも音がズレたり消えたりしちゃうから、対面とはちょっと違う間合いのとり方を意識しないといけない。赤ちゃんやおちびさんがいると妨害行為はあって当たり前だから、こまめにミュート機能のオンオフをしてもらわないと。今日はひたすら赤子の「あばばば〜〜〜」しか聞こえない時間があった。(笑)

 

情報量

対面だと伝わることも、なかなか伝わりにくかったりする。不思議と。音が聞こえにくいってのもあるけど、伝わりにくい分、分かりやすい言語表現で補わないといけない。

 

参加人数と発言量

ありがたいことにメンバーが増えてにぎやかになったんだけど、一人あたりの喋る時間はなるべく減らないようにしたい。カフェだったらこっちで喋ってる間にあっちでも話題が展開して…みたいなこともできたけど、みんなでひとつの画面の中にいるオンラインだとそれができない。

予定していたメモをうまく読むことよりも、相手のリアクションや質問を受けて予想外に変化していくのを楽しめるような流れがいい。スピーチじゃなく会話。

誰かがずっと喋ってる、ずっと聞いてる、みたいなのは避ける。ひとりが喋って、ハイ終わり、次の人が喋る、みたいなブツ切りの発表会も好ましくない。

ひとりの持ち出した話題を、展開したり深めたりしながら全員が何かしら発言できるようにする。

(でもこのへんはうちのサークルうまくいってると思う!)

 

時間制限

Zoomは複数人だと40分制限。

それなりに全員喋れるようにって思うと、4人以下かな〜。休園で子どもが後ろでワタワタしてるとこれくらいの時間が実際集中の限度だったりする。(いつも一人で見てる番組を準備してても、見て〜とか遊ぼ〜って言い出す!絶対!)

 

オンラインの方針

もともと「主体的に学ぶ英会話サークル」を目指してたので、誰かに教えてもらうんじゃなくて「お互いに学び合う場」ってのは変わらず。

オンラインは「学んだことを持ち寄るアウトプットタイム」により集中して、学習習慣をつけられるように週に一回の頻度に大幅アップ!!

カフェ月1の弱点がむしろオンラインで克服されそう。

 

時間帯は平日午前の40分。たいていの英会話サークルは土日や夕方で参加できないワレワレのためのタイムスケジュール。

 

学び合いの応用編

これって英語に限らずいろんな勉強に応用できそうだな〜と思ったんだけど。例えば学生同士範囲を決めてそれぞれ学んだことを交代で先生役になって教えるとか。アクティブラーニングを取り入れてる学校がよく本で取り上げられてる内容そのまんまだけど、これは数十人の教室じゃなくてオンラインで全然イケる。

 

 

さて、我が家のチーキーマンキーがうまいこと昼寝してくれたので、その間にせっせとスマホで書いたブログでした!指が痛い!

 

kotokotoba.hateblo.jp
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cloverenglish.hateblo.jp

 

★自分にぴったりの英語学習方法について

▶英語で話題を共有(意見交換)できるようになりたい - ことばのおもしろさ研究所

▶なんで語学本の言うとおりにしてもうまくいかないのか - ことばのおもしろさ研究所

▶もっと英語をスラスラ話せるようになるには - ことばのおもしろさ研究所

 

幼児と一緒にStay Home

実家からドカンと絵本が届いたおかげで、絵本タイムの楽しみが広がりました。

 

4歳息子の最近のお気に入りは、これ。

 

さて来週から休園!!!

息子が入園してから自分時間を大満喫してきたので、正直休園が決まった瞬間は「うげーーー!!!」ってのが最初の感想だった私ですが(笑)あれして遊ぼうかな、これして遊ぼうかな、と遊びネタをググって集めてるうちに楽しみになってきました。

 

「私の」スクリーンタイムは減るので、ブログの更新は減るだろうけど…息子のスクリーンタイムは増えるよね、確実に!!小さいデバイスは渡してないので、リビングのテレビでDISNEYデラックスかYouTube

 

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

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  • 発売日: 2019/01/23
  • メディア: エレクトロニクス
 

DISNEYデラックスは、MARVELヒーローズ大好きな夫が今年から始めたの。私も大好きなモアナ、ライオンキングを何回も見れて幸せ!息子はプーさんにハマってる。私も小さい頃好きだったけど、大人になってから見たらいろんな意味で衝撃を受けた(笑)家族3人で爆笑して見てます。

 

YouTubeは歌のお姉さんメドレーか、神楽(神社とかお祭りで舞う、アレ)。4歳の息子は神楽にハマりすぎて、人生の転機を迎える。彼は芸の道に進むことを決めた。誰も予測しなかった展開(笑)

 

神楽のイントロクイズできるくらい、ハマってます。謎に。

 

 

「我慢させられてる」って思うときついけど、「何したら楽しいかな?」って自分に質問したら随分空気が変わるよ!

「我慢させられてる」人の他人に対する不寛容さは、SNSの発言で見てて気分が悪くなる。あぁいうごわごわドロドロした「気分」って、感染力めちゃくちゃ強いから、気をつけよう!!!

 

ルールを守ることはもちろんダイジだけど、「なんのために、どういう効果を期待して、どんなアプローチで」そのルールがあるのか、をふんわりとでもいいから視野に入れないと、ただの我慢大会になっちゃうかもしれないから。

 

細かい部分にもルールやマニュアルがあって、絶対的な指示やコントロールにみんな黙って従うだけなら、楽なのよね。トップダウンの仕組みはそれを目指して社会をつくってきたんだけど、それが変わりそうな今、シンドイし勇気がいるけど、自分で考えて行動する練習をするタイミングなのかもしれない。