ことばのおもしろさ研究所

語学好きな母ちゃんが、子どもの言葉の成長と外国語学習の奥深さ、心に響いた本なんかを記録しているブログ。

奇病カンブリア爆発

使っていなかったインスタアカウントを、ちょっとした読書記録用に活用することにした。

 

 

 

白い紙の黒いインクで、どうしてこんな色鮮やかな世界が描けるんだろう。異形の不気味さ、美しさ、「正常なニンゲン」のおぞましさと、ピュアな狂気。
澁澤龍彦の『高丘親王航海記』とか梨木香歩の『家守奇譚』みたいな、現実と幻の境界線がわからなくなってクラクラしちゃう世界観が好きなら、これもきっと好き。
おそろしい場面であっても、血生臭さとかグロさ気持ち悪さは感じない。遠巻きに夢越しに眺めているような、静かな読み心地。

 

「あなたは魔法使い?」
「さあ、魔法とは何だろうね。人は言葉を使うが、言葉はすべて嘘だ。だが言葉はすべて真実にならざるを得ない。それを魔法と呼ぶならば」

 

ニンゲンのカンブリア爆発みたいだな、と様々な奇病を読みながら思う。めちゃくちゃに、混ざりあい変化し合いながら、うごめいてゆく異形のいのち。