母国語のチカラ
「子どもに英語を」と言うと「英語よりもまず日本語を」と言われる。
「日本語は日本にいれば勝手に覚えるから英語を優先する」と言う人もいる。
人間の土台として母国語(母語)教育を最優先にすべきだという点には賛成。
日本語はほっときゃ覚えるわ、な態度には反対。
でも日本語のために英語を避ける必要は無いし、むしろ積極的に触れさせたいとも思う。
我が家(日本人両親、ほぼ日本人の集団環境)の場合、英語は外国語、第二言語であって、どれだけ頑張ったとしても日本語のレベル以上に使いこなせるようにはならない。だから息子イチ君の今後の英語能力は日本語の運用能力をいかに高められるかにかかっている。
目標とする日本語のレベル
具体的に母国語である日本語がどのくらいのレベルになってほしいか考えてみた。
日本語ということばを扱う能力を三つのパートに分けてみる:
- 聞く・理解する
- 考える・整理する
- 伝える・表現する
聞く・理解する
・素直に聞く
・能動的に聞く
・相手を尊重して聞く
「聞く姿勢」は「学びの姿勢」にそのまま映し出される。 素直に人の話を聞くってのは、子どもであれ大人であれ「成長」に必要不可欠なこと。 相手の意見に耳を傾けられる、そして人の意見を尊重できる(賛成反対かどうかはともかく、まず受け止められる)人間であってほしい。 自分とは異なる意見であっても、まずはそれを「聞く」ことができる態度が 多(他)文化を認める態度につながっていると思う。
考える・整理する
・相手の意図(文脈)を理解する
・論理的に考える
・自分の意見を持つ
語彙の量はもちろんだけど、経験(体験)の豊富さ、じっくり考える(ぼーっとする)自由時間がちゃんとあるかどうか、がこのチカラを左右するんじゃないかな!
伝える・表現する
・堂々と意思表示ができる
・適切なことばの使い方
一方的に言いたいことを言うだけじゃなく、 相手に伝わる方法でことばを選ぶことができるチカラ。 伝えるという行為の先には「相手」がいる。自分ではない別の人間がいる。 聞く姿勢同様、相手を尊重できる話し手になりたい。
ハハとしてできること、気を付けること
ことばの使い手として最も身近で最も影響力の大きいロールモデルが、母親。だから私自身、日本語の運用能力を磨く努力が必要!
例え相手がまだ喋らない赤ちゃんであっても、一方的に言葉をかけるだけではない「間」のあるやり取り、相手の意思をくみ取ろうとする姿勢を示してあげたい。
健やかな言葉の発達を促す母親の言葉がけ方法について、下の本に詳しく紹介されている。

0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児
- 作者: サリーウォード,Sally Ward,槙 朝子,汐見稔幸
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/06/26
- メディア: 単行本
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「教え込む」のではなく「提供する」。「間違いを正す」のではなく「正しい表現方法を示す」。
The pyramid of speech and language development
できない子どもをできるようにする、何も知らない子どもに知識を与えてあげる、そんな立場で接していると、できたできないで評価してしまいがち。そうすると出来ないことをネガティブに捉えてしまうだろうし、無意識に子どもをコントロールしようとしてしまう。思い通りにコントロールしようするのと「しつけ」は違う。

子どもの脳を伸ばす「しつけ」 ~怒る前に何をするか--「考える子」が育つ親の行動パターン~
- 作者: ダニエル・J・シーゲル,ティナ・ペイン・ブライソン,桐谷知未
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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↑ 子どもの失敗や癇癪、好ましくない行動を改善させる過程を「しつけ」として、効果的な方法をこの本が紹介している
日本語も外国語も、できるできないを気にしすぎないようにしたい。子どもも大人も、生きている限り成長の過程にいる、って思えばイライラや焦りが減る…かな?!
Growth Mindset by Carol Dweck (animated book summary) - Growth Mindset and Fixed Mindset
ちょうど今図書館から借りて来て読んでる本が、この三つのチカラに大きく関係のある内容だったからご紹介。
「こども」とあるけど、大人でも実践したい!こんな面白い取り組みがあるのか、と感動。子どものいる母親たちで集まってやっても面白いかも、ね!!
以上、私が理想とするレベルの日本語の三つのチカラでした。まずは自分から!ことばの運用能力をトレーニングしたいなぁ。・・・しなきゃなぁ!