語学好きのみなさん、ノートは手書き派ですか?それともデジタル派?
語学好きさんは手書きノートが苦にならない、むしろ楽しんでできる人が多いような気がする。私はアナログノート大好きです。
手書きとタイピングと記憶の関係
前に紹介したゴールドリストメソッドも手書きノートのひとつ。このメソッドの産みの親デイビィおじさんいわく、長期記憶に結びつけるためには自分の手を動かして書くことが良いんだとか。
手書きでノートをとるのとタイピングするので記憶力にどう影響が出るのか。プリンストン大学の心理学者がおもしろい実験をしている。
実験の結果明らかになったのは
- 具体的事実に関する記憶は手書き・タイピングで差はあまりない
- 意味内容の理解度、応用力に関しては手書きの方が圧倒的にパフォーマンスが良い
ということ。タイピングでノートを取るとただ聞いたことそのままを入力する作業になってしまいがちなのに対して、手書きでノートをとる方がより情報処理に集中できるのではないか、というのが科学者たちの見解。手書きノートをとった被験者グループのうちでも、丸写し部分が少ない人ほど(つまりできるだけ自分の言葉に言い換えてノートをとっている人ほど)実験で優秀な成績を修めたらしい。
やっぱり学生は手書きのノートがよいってことね!
目的別ノートを取る時のポイント
ノートの取り方に正解は無いし、思うがまま自由に書けるのが手書きノートの魅力のひとつ。テスト前のまとめノート、何かを覚えるための勉強ノート、会議やミーティングのときに取るノート、目的に合わせて効果的なノート作りのポイントを抑えておきたい。
勉強用ノート
学生なら授業で使うノート、講義を受けて取るノート、学びのためのノートを取る時のポイント。
- 具体的事実(出来事)と背景(原因・理由)に分けて書く
例えば「ゾルビアの人口は364人である」と言うのは「事実」の部分。「ゾルビア 人口364」と簡単に書くだけで良い。「事実」の部分は後で参考書や教科書を参照すればすぐに分かることがほとんどだから、集中して耳を澄ますべきは「事実」にくっついてくる背景、「原因・理由」は何かってこと。
そしてこれが先に紹介した実験で手書きノートがタイピングよりも圧倒的にパフォーマンスが良かった部分。
- 繋がり、関係性が分かるように書く
「ゾルビアは小さい国であったため国際連合における交渉力が無かった」と聞いたとする。ここで「小さい国」であることと、「国連での交渉力」の関係性に気付く。授業を聞きながらノートを取る段階で深く考える必要は無い。矢印を引くなり吹き出しを使うなりで後で見返した時にその関係性に注目できればOK。
ある具体的事実(出来事)と別の具体的事実(出来事)の関係性、それはどう影響を与えているのか、なぜそうなったのか、その出来事にどういう意味があるのか。その部分に頭を働かせながら、要点を絞ってできるだけ簡単に書く。
- 出来るだけ自分の言葉で、簡潔に書く
これは上の実験結果からも分かるように、聞いたこと読んだ内容をただ写すだけよりも、それをまとめるなりなんなりして書いたほうが頭に残りやすいから。自分の言葉で書くには、字面を追うだけじゃなくて内容を理解してないといけない。
暗記のためのノート(プレゼン・テスト用)
要点を一枚の紙にまとめる。もちろん丸写しはご法度。自分の言葉で、事実と背景の関係性や、プレゼンであれば強調したいポイントを軸に全体の流れをひと目でわかるように書く。
例えば歴史の授業内容をまとめる時は、時代別、テーマ別(○○時代の文化、○○の政策.etc)に一枚。参考書や教科書の章毎にまとめるという手もある。
私が学生の時、それから保育士の資格試験の勉強をしてた時もこういう一枚でまとめるをノート作って勉強していた。具体的な流れはこんな感じ。
(1) 読み通し…参考書のひとつの章を読み通す
(2) 問題集を解く
(3) 間違えた部分、覚えてなかった部分をチェック
(4) 間違えた問題だけもう一度解く
(5) 更に間違えた問題は参考書に印を入れておく
こんな感じの流れで何章か進めたら(あらかじめやる分量は決めておく)、参考書の最初に取り組んだ章に戻ってその何章分かの印を入れた部分をパラパラと確認していく。
それから問題集も参考書も閉じて、勉強した内容を思い出しながら一枚の紙にまとめていく。何も見ずに書くってのが難しいけど、これかなかなか頭に残る。うろ覚えの部分がハッキリする。
ミーティングの記録ノート
これも「事実」と「背景」を分けて書くことを意識する。それからチェックボックス□の箇条書きで「やることリスト」を書くスペースも作る。矢印や記号を使って見返した時にすぐ内容を把握できるようにする。
この「事実」と「背景」を把握するべしって考え方はQick and Dirty Tipsで上の記事を読んで勉強法の参考にした。
この総合情報サイト、ライフハック的なものから子育て情報、栄養、運動、科学や数学などなど、いろんなジャンルの小ネタが読める。ひとつの記事のボリュームもそんなに大きくないし、豊富なジャンルから好きなものを選んで読めるから、英語学習者にもオススメ!Podcastも配信されているから読む暇がないって人は耳から学習もできる。
スクリプトもあるからディクテーション、シャドーイングもできる。これが無料なんだから活用しない手はない!
語学学習ノート
単語集めノート
今はフラッシュカードアプリのAnkiをチャッチャとめくるだけでノートを作ってないんだけど、その前はノートで単語集めをしていた。これはこれでとても効果があった勉強法だったのでご紹介。
B5のルーズリーフをまとめたノート。
言語交換やネット上、ニュースで見つけた気になる単語を赤で書いてある。基本的に日本語訳はつけてないんだけど、単語をグーグルで検索して出てきた文章(中国語学習者向けじゃなくて、台湾人が書いた台湾人向けの文)を例文として2,3一緒に書く。普段(思い出した時)さらっと赤字部分を眺めるんだけど、意味があやふやな時は例文を見ればすぐに思いだせる。
単語は何度も見返しているうちに自然に覚えるもんなんだけど、覚えにくいものもある。ある程度ルーズリーフが溜まってきたら最初の方のページはまとめめ捨てちゃう。その中に未だに覚えれてないものがあれば新しいルーズリーフに例文も一緒に書き出してノートに追加しておく。
今思えばゴールドリストに通じるものがあるかな。
書き出しトレーニングノート
これはペルシャ語、中国語を勉強し始めた時のやり方。どっちもレッスン(ペルシャ語は講義で習ったもの、中国語はオンライン上のレッスン)をベースに、手と口と頭を動かす勉強法。
まずはノートの端を4~5センチ折り曲げておく。このスペースを単語一覧にして、広いほうに本文を書くってやり方。
(1) 教科書本文、レッスンスクリプト全体を音読
(2) 一行読んで、その一行を声に出しながらノートに書きだす
※書き出すときは本文を見ない
(3) 書いたセンテンスと本文を確認(間違えてたら修正)
※ちゃちゃっと消せるフリクションペンが大活躍
(4) センテンス中に覚えたい単語があれば、折り曲げたスペースに赤ペンで書く
※単語は詰めて書かずに、使われているセンテンスの横に書く
(5) 一通りできたら音読やシャドーイングをして完了
復習するときは単語リストだけさっと眺めて確認するか、時間があれば本文を音読する。ポイントは見ながら書き写すんじゃなくて、一行づつ覚えながら書くこと。短い文章でも案外難しい。少し簡単なテキストで音声があるなら(1)シャドーイング(2)ディクテーション(以下同様)ってやり方もできる。
これはネイティブ同士添削し合う語学学習サイトLang-8で投稿したペルシャ語の日記。調べた単語、添削を通して教えてもらった単語は本文中でも赤で書いてある。ペルシャ語の訳は英語で。
ちなみにこのやり方で使った中国語のオンラインレッスン(無料)はこれ↓
解説は英語。ビデオ、一行づつ再生できるトランスクリプト、単語リスト、台湾の文化を紹介するコラム、各レッスン毎のミニテストがついてまるまる無料。台湾中国語を勉強したい人には超オススメ!
日本語の解説がついた難易度が低い(語数が少ない)バージョンもある↓
言語交換ノート
これはメモ書きみたいなもの。ページのあちこちにメモ、メモ、メモ。パッと見ぐちゃぐちゃなんだけど、書いた本人はどこに何を書いたかだいたい覚えてるからOK。その日のうちか、翌日に見返したときにこれは単語ノートに追加しようってのがあれば赤で丸く囲ったり、新しいルーズリーフにズラッと書き出す。こいつらは時間があるときにまとめて単語ノートに移行。
あと、メモは基本的に黒ペンのみ。強調したい部分は囲うかアンダーライン。メモノートの時点でカラフルなルールを作っちゃうとそっちに気がいって中身に頭が働かないような気がする。
心の声ノート
これは勉強のノートじゃないんだけど、大学生のときに書いていたなんでもノート的なもの。面白かった本の感想だったり、内容をまとめたり、心に残った言葉をメモしたり、そんな感じ。使ってたのは無印のB5ノート。思考がまとまりやすいし、ぼんやりしたナニカを言語化するってのは良い精神的体操になったと思う。懐かしいなぁ~
みなさんはどんなノート作ってますか?:)