ことばのおもしろさ研究所

語学好きな母ちゃんが、子どもの言葉の成長と外国語学習の奥深さ、心に響いた本なんかを記録しているブログ。

英語遊びアイディア with 幼児さん

ちびっこから小学生まで人気の探しモノ絵本、「I SPY」でイチくん(3歳)と英語で遊びました。

 

普段は日本語で生活してますが、時々なんとなく英語で遊んだりしてます。最近は少なくなりましたが…

 

I Spy: A Book of Picture Riddles

I Spy: A Book of Picture Riddles

 

I spy...の言い出しで写真の中からそれがどこにあるのか探し当ててもらうゲームです。ウォーリーを探せ、みたいにごちゃごちゃ~!と色んなモノが散りばめられていて、雑貨好きな大人も見ててトキメクページがいっぱい!

 

イチくんも時々ホニャラホニャラと変な言語になりながら(笑) 英語で「I spy... white black bear・・・(ごにょごにょ)ど~こだ!」とか聞いてくれます。

※言い方が間違えていたり日本語が混ざっても「ちがうよ」とか「英語で言ってごらん」とは言わないこと!間違いを指摘せずにフィードバックとして自分の中で修正できるように促すコツは、オウム返しに英語でセリフを言い直してあげること。例えば I spy a black and white bear? Okay, a black and white bear... Where is it?てなふうに。

 

私がWhere's ◯◯? Hmm...?と探すのが嬉しいみたいで、自分は探す方より出題者になりたいみたいです。

 

その中でお人形がお玉の滑り台で遊んでる写真があって、お玉って英語でなんだっけ?って思ったので、イチくんにWhat's this? って聞いてみました。いちくんも英語のお玉は知らないので「おたまだよ」って日本語でお返事。

 

Yes it is. How do you say お玉 in English? Let's see...なんて言いながら、一緒に我が家のpicture dictionaryで調べてみました。

 

Richard Scarry's Best First Book Ever (Richard Scarry's Best Books Ever!)

Richard Scarry's Best First Book Ever (Richard Scarry's Best Books Ever!)

 

 

これも見てて楽しい絵辞典。ちょっとしたお話し仕立てになっていて、生活に身近なモノの名前や動詞、形容詞が紹介されてます。


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Can you find お玉? Where is お玉~なんて言いながらお玉探し。 

※Where is~とかCan you find~は遊びの中でたくさん使えるフレーズ。こういうよく使うフレーズをベースに単語を入れ替えて語いを増やしていきます。

 

There it is!Ladle... I see, おたま is a ladle!!

※リピートアフターミー、はしません!!もし覚えてほしいなら自分から発話する仕掛けが必要です。例えば今回は、私がLadle, ladle, ladle...と言いながらキッチンから本物のお玉を出してきて、ちょっともったいぶりながら What's.... this?と聞いてみました。テストしているような雰囲気には絶対にしないこと。

 

 

Ladle!と応えるイチ君に、Yes, it’s a ladle!といってイエ~イ!みたいなノリでladle遊び(?)をスタート。

※Ladle!だけで答えたのをYesだけで終わらず、it's aをつけてフィードバックしてます。

 

さて、ladleを手に入れた母、首をかしげてWhat do you do with a ladle?これ何に使うん?と少し考えて・・・I scoop some soup with a laddle.とジェスチャー

What do you doのセンテンスもscoopという動詞も、たぶんどこかで耳にはしたことがあるけど理解はまだあやふやなはず。でもsoupという知っている単語と私のジェスチャーを見て意味は取れています。

※新しい表現は、知っている単語や資格情報で意味を把握できる程度に登場させてます

 

お料理のまねっこみたいな姿におままごと大好きなイチくんはニコニコ近寄って来ます。そこですかさず…I scrach you with a laddle!とか変な動詞に変えたりすると大喜び。

※さっきの新しい表現I scoop some soup with a ladle.をまた繰り返したり、tapしたりshakeしたり I 〜 with a laddle をおちゃらけて、入れ替わっている動詞に自分で注意を向けさせています。

 

※時々またWhat do you do with a ladle?とひとりごとのように言って、何が来るの?!とドキドキさせつつ、注意をひきつけるのと同時にWhat do you doのフレーズを覚えてしまえるようにしています。 

 

 

お玉で変なこと(笑)をされると喜んでキャ〜!と逃げるんですが、ふいに背中に隠して Where is the laddle?と緩急をつけてみたり。近付いて来たところをIt's on my head!なんてまたおフザケしたり。

※体の部位の表現など、分かっているネタを盛り込むと記憶の定着にもなります。

 

ほんの10分足らずの時間でしたが、これだけでも英語と楽しい時間のイメージが結びついてくれたら嬉しいな~と思います。イチくんにとって私は「先生」ではなく「お母さん」なので、何かをできるようになってほしい!と思うと色んなところで無理が出てきたりストレスになっちゃうんですよね。お互い。

 

Mama, If You Had a Wish

Mama, If You Had a Wish

  • 作者: Jeanne Modesitt,Robin Spowart
  • 出版社/メーカー: Simon & Schuster Children's Publishing
  • 発売日: 1993/04/01
  • メディア: ハードカバー
  • この商品を含むブログを見る
 

 

英語でもなんでも、こんな大人になってほしいというイメージがあるのなら、まず自分がそれを目指さないと、って思います。彼が生きる未来はこんな社会であってほしい、と思うならその社会をリアルなものにするために自分が(どれだけ小さいことでも)何ができるのかを真剣に考えて、それに向けて行動を起こさないと、と。

 

こういう世界で生きたいな、を自分に結びつける - STAR SHIP☆星読み航海図

 

 

私はついことばが先行してしまって、それに追いつけるように必死に動こうとするんだけど、器の小ささが露呈するのが恐ろしくて、またことばでごまかしてしまう。。。子どもと英語(言語教育)について一生懸命知識を仕入れて実践で身につけようと頑張ってみますが、やっぱり「留学経験も学問として教育機関や専門機関で取り組んだわけでもない」「自分自身の英語スキルの中途半端さ、資格の裏付けのなさ」「家族親戚全員日本人の、純ジャパ生活なのに」とかいろいろコンプレックスは根強いです。

 

コンプレックスを原動力に子どもの教育に向き合うのは絶対に嫌!!なので、ひとつずつ乗り越えよう、と思います。

 

子どもの英語遊びアイディアのシェア記事のはずが、弱音になってしまいました。

 

Anyway,

 

「ことばっておもしろい!!!」とわくわくする気持ちをアウトプットする場としてブログを続けたい、と思います。イチくんと私の成長に期待を込めて。

 

 

追記 

Rosie's Walk

Rosie's Walk

  • 作者:Pat Hutchins
  • 出版社/メーカー: Red Fox Picture Books
  • 発売日: 2009/03/05
  • メディア: ペーパーバック
 

 最近図書館で借りてきてイチ君が喜んだ本。文章はほとんどなくて、絵で物語を楽しむ絵本!

めんどりのロージーがお散歩に行くんだけど・・・ロージー、うしろー!!!って叫びたくなる展開(笑)

 

 

It Could Have Been Worse....

It Could Have Been Worse....

  • 作者:A. H. Benjamin
  • 出版社/メーカー: Little Tiger Press
  • 発売日: 1998/02/27
  • メディア: ハードカバー
 

 似たような「うしろー!!」系の絵本でも、こっちはもうちょっと読む文章があるよ。どうなるの?どうなるの?ってページをめくるのが楽しい絵本。

仲間とブラッシュアップする英会話サークル

今までやってきたゴガクで、やっぱり楽しかったのは誰かと学びあうプロセスにあったと思う。言語交換(Language Exchange)もそうだし、サークルもそう。

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

英会話サークルの立ち上げについて書いた記事の、つづき。

出来るだけ学習効果の高い、意味のあるサークルにしたいから・・・ってことで色んな要素を組み込んでます。英会話サークルを作ってみたい方、サークルと言わずも一緒にゴガクする2人以上の集まりで活用したり、言語交換で応用したりできると思うので、紹介します。

 

大きな流れ

(1)近況報告、自己紹介

(2)収穫SHARE会

(3)クイズ、ゲーム

(4)テーマトーク

 

 

 アイスブレイク

まず出だし。私たちはほぼ固定メンバーになってきたので、近況報告から始めてます。はじめましての方がいるときは自己紹介から。最近あったことなど、ひとりずつ順番に話していきます。プレゼンじゃないので、途中で口を挟むのも、脱線も大歓迎。たいていみんな何を話すか決めてきてはいるけど、どんどん話題が広がることで「えっと・・・!!」と脳みそフル回転できます(笑)

 

準備してきたものを読み上げるだけ、じゃないリアルな会話の間とか展開が練習できるのが、ひとりじゃないゴガクのオモシロサ。

 

予習をさせる仕掛け

収穫share会は、前回のサークル以降学んだ単語やフレーズ、最近調べた語句、あとは英語学習に関する書籍やツールなど…これはシェアしたい!ってものを紹介します。

 

英語で英語を説明する練習に。それからアウトプットすることでインプットを定着させたいって狙い。月に一回しかない集まりだけど、「シェア会で何話そう…」と思ってもらえたら少しでもインプットに向かう機会になるかな、と。

 

普段の生活で意識する機会が多ければ多いほど、忙しくてもゴガクできる時間をつくることができる、と思うので。

 

相手に伝わる口頭説明、できますか?

クイズタイムは、写真やイラストの描き起こしゲームをします。

全員が順番に出題者になって、口頭で説明した絵を他の回答者が紙に書くってシンプルなゲームなんだけど、これがなかなか難しい。

 

英語に限らず、意外に日本語でも難しい。自分が当たり前に分かっていること(見えていること)を、聞き手が全く違う前提を以て受け取ってたりね。そのギャップ、無意識の思い込みに気付くオモシロイゲーム。

 

参考文献として紹介している本

外国語を身につけるための日本語レッスン

外国語を身につけるための日本語レッスン

 

 

 

テーマトーク

あとは毎月変わるテーマでおしゃべり。シェア会で出た表現も意識して交えつつ、脱線蛇行しながらワイワイ楽しんでます。

ついついお喋りしたい気持ちが先行して日本語で話しだしちゃう人もいるんだけど、そんな時は英語でリフレーミングして相槌をうってあげると、強制したり注意しなくても少しずつ英語モードに戻ってくれます。

あと、「最後まで黙って聞く」ルールはないので、出来るだけ口を挟む(笑) そして他の聞いている人にも話を振る。

 

今のところ私がリードして全員「たくさん発言できた!」と達成感を感じてもらえるように気をつけてるけど、ゆくゆくは私が抜けても回るようにしたいなぁ…

 

ブログで復習

開催報告としてブログでその日出たトピック、シェア会に挙げられたネタ、ひっかかった表現などをアップしてます。

コメント欄とか活用してほしいな〜と思うけど、そこはまぁ、そんなに盛り上がってません(笑)

 

長く参加できてない方から「ブログはチェックしてます!」「モチベーション維持になります!」っと言ってもらえたりするので、嬉しいです。

 

cloverenglish.hateblo.jp

 

頭に残るゴガクにしたいなっと思うので、SLA(第2言語習得理論)を参考にして

 

★興味のあるネタ、身近なトピックを中心に

心理的障害(不安とか緊張)が低い場の雰囲気づくり

★フィードバックがあるアウトプット

★インプットの機会を増やす

 

ことを意識してサークル運営してます!

 

外国語学習の科学?第二言語習得論とは何か (岩波新書)

外国語学習の科学?第二言語習得論とは何か (岩波新書)

 

 

どうすれば日本人は英語を話せるようになるのか! ?

どうすれば日本人は英語を話せるようになるのか! ?

  • 作者: アンドリュー・ロビンス
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2018/04/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

集まるメンバー層や開催場所でまた雰囲気が変わってくると思うんですが、主婦×カフェのワレワレは、リラックスしておしゃべりや情報交換を(もちろん英語で)楽しんでます。「学びと癒しの貴重な時間」「毎月この日が楽しみ!」と言って、お仕事のシフトをサークル開催日に合わせてくれる方やお休みを取ってまで来てくださる方もいて!!メンバーもいいひとばっかり。私にとっても充実した時間で、毎月の楽しみになってます。

 

切磋琢磨できる相手がいると、モチベーションの維持にもなるし気付きも多いです。会社をおこすわけでもないので、サークル立ち上げはそんなにハードル高くないですよ。会場が見つからなければオンラインチームで募集しても面白いかもしれません。

 

以上、英会話サークル立ち上げと運営についてでした!参考になればさいわいでゴザイマス★

英語教育の定番と誤解

英語教育に関する対照的な本を2冊読み比べてみました。

子どもの未来を広げる「おやこえいご」 ~バイリンガルを育てる幼児英語メソッド~

子どもの未来を広げる「おやこえいご」 ~バイリンガルを育てる幼児英語メソッド~

 

 こっちは子育て中の親に向けた本。「子どもの未来」「最小限のお金と労力でバイリンガル」「英語が苦手なパパママでも大丈夫」「一生英語に困らない」というひじょーに”トキメク”フレーズが表紙に並んでおります。

 

著者本人が教育学分野の教授であること、英語教室を運営されていて、自身の二人のお子さんも現在「グローバルに働いている」ということで、説得力のある「体験談」でもあります。

 

面白かったのは、「お金のためどきと使いどき」という考え方で、幼児期に高い教材を奮発するよりお金を貯めておいて高学年くらいに留学や海外経験などドンッと出してやるってはなし。

 

親がとりくむ英語教育の重要ポイントとして挙げられているのが

☆幼児期は大量のインプット(楽しく)⇦動画の活用

☆週一回の英語教室

 の2点。年齢別のおすすめ動画、イイ英語教室の選び方も紹介してます。

 

英語教育幻想 (ちくま新書)

英語教育幻想 (ちくま新書)

 

 そして色気のない文庫本、こっちを手に取るママは少ないだろうな(笑)こちらは海外の大学で25年教鞭をとってきた言語教育学者からみた英語教育。オフィシャルなもの(学校教育)とインフォーマルなもの(個人の学習)に分けて、日本人が徹底的に誤解していることを指摘している。

 

たとえば、ネイティブスピーカー=アメリカ人=白人という幻想。これは教科書の刷り込み、政府の思惑もあっていまだ根強いらしい。最近は教科書でもアメリカ人以外の登場人物がいるから改善されているようだけど・・・無意識の差別はまだまだある。

 

私たちの思い描く「グローバル」は、皮肉なことに英語によってかなり狭められているんじゃないか?商売として利用される英会話産業は、まぁ、よく聞く話だったけど、日米関係のために推進される英語教育ってのは知らない視点だったから面白かった!

 

章立てが幻想1~幻想10まであって、そのなかから私的に目新しかったものをピックアップすると・・・

 

幻想5 それぞれの国の文化や言語には独特さがある

幻想6 英語ができれば世界中だれとでも意思疎通できる

幻想7 英語力は社会的・経済的成功をもたらす

幻想9 英語は英語で学んだ方がよい

 

幻想6なんかは、先に紹介した『子どもの未来を広げる「おやこえいご」』の最初のチャプター「英語習得の必要性」にそのまま答えるような内容。

 

あ、もちろん、英語の必要性を否定している内容ではないです!でも「盲点」があるのは事実。「確かにそういう視点もあるねー!!」「ここを改善すればより英語教育の質が上がるよね!」と思えるので、英語教育をすすめる方にもおすすめ。

 

イイか、ワルイか!賛成か、反対か!みたいな白黒はっきりさせる必要は全くなく、むしろあわいグラデーションを把握してその中でどこに自分を位置づけるのか自分の頭で考えること。それがめちゃくちゃダイジだ、と個人的には思っているので。

 

その頭の使い方を学べるのも外国語学習だ、って捉えてます。

そういう意味で、教える側としてどう「英語教育」に向き合っていきたいのか、あっち側の意見もこっち側の意見も聞いてみると面白いです。

 

幻想6「英語ができれば世界中誰とでも意思疎通ができる」幻想7「英語力は社会的・経済的成功をもたらす」に関しては、平均思考のワナもある。

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

英語は視野を広げる。可能性を増やす。

それを事実にするためには、英語が視野を狭める可能性も頭に入れておいた方がいい。それは英語学習そのものじゃなくて、捉え方(無自覚の差別意識)が原因で。ネイティブ信仰・生きた英語信仰の日本人が頑張っていくら流ちょうな英語を話しても、非ネイティブな自分はいつまでも「生きていない英語」話者という立場に甘んじるわけだし。

 

英語力即ち仕事力(仕事がデキル⇒キャリアアップ⇒高収入)、という誤解はさすがに無いと思うけど。。。

 

 言語能力、仕事力以外にも、グローバルに働く、という意味で意識したいのがコミュニケーション能力。『英語教育幻想』の中で紹介されていた越境コミュニケーション能力というものは、別に国境や言語を超えなくても人間同士のコミュニケーションであった方がいいでしょ、って内容だった。

 

 

関連して、育むべきグローバルマインドとはどんなモノぞ、という話。

kotokotoba.hateblo.jp

 

幼児英語教育に関するオモシロイ本を紹介した過去記事もあるよ。

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

私自身は・・・語学は「楽しみ」のひとつで、実用的な目的は特にない。今後、仕事として英語教育業界に関わろうかと迷ってはいるけど、そうなったらもうちょっと真面目に勉強・・・するかな??(笑)

 

我が子に関しては、今のところ優先順位低め。でも特別意識していないだけで、絵本、歌、ビデオは英語も楽しめてるから、そこまで「非日常」な存在でもない。

 

kotokotoba.hateblo.jp

アルファベットは読めるらしい。フォニックスは「c...a...t.......cat!!」とかいうときもあるけど、真似してるだけで「音を組み合わせて単語が出来ている」という意味は分かってなさそう。

 

Anyway、

 

言語習得理論もそうだし、科学的に「これは確かだ!!」と言われることなんてあくまでのその時点でわかっていること、ってことを頭の隅に置いておきたい。