ことばのおもしろさ研究所

語学好きな母ちゃんが、子どもの言葉の成長と外国語学習の奥深さ、心に響いた本なんかを記録しているブログ。

衝撃の母乳ババロア

 

 

岸本佐知子さんのエッセイ『わからない』を読んでいて紹介されていた短編集。ちょっぴり不気味で、なんとなく心がきゅっとしてしまう、真っ直ぐな(いや、歪んでいるっていうのか?)主人公たち。

 

正常なわたしたちからすれば、「狂人」であったり「愚鈍」だとみなされるような人たち。まだこの世界にうまく馴染めない子どもたち。

 

ベロニカだな!

「(中略)狂気とはね、自分の考えを伝える力がないことよ。

まるで外国にいて、周りで起こっていることは全て見えるし、理解もできるのに、みんなが話してる言葉が分からないから、知りたいことを説明することもできず、助けを乞うこともできないようなものなのよ」
 
「わたしたちはみんなそう感じてるわ」
 
「だからわたしたちはみんな、なんらかのかたちで、狂ってるのよ」

 

kotokotoba.hateblo.jp

 

 

各章を読み終えてから、章の扉絵を見直すのもおもしろい。

そして章末に書かれている、創作のネタになったと思われるキーワードも、おもしろい・・・!!!!そのままあの登場人物のモデルになったんだろう、と想像できるものから、ここからこんなふうに物語が生まれちゃう?!ってオドロキも。

 

特に印象的だったのは、「母乳ババロア」(衝撃)と、13人兄弟の末っ子「サー叔父さん」。サーおじさんは、切なかった。「蜘蛛の巣は、宇宙からの手紙なんだよ」。

母乳ババロアは、キモかった(笑)

あと、現役母乳ババロアとしてひとこと申すなら、「母乳が直線でぴゅーっと出るのは、幻想です」。

 

あれは四方八方に飛ぶ。

しかも、妊娠以降ズズ黒さを増し巨大化する乳輪は、カラスもびっくり。そんな美しいもんじゃない。謎のぼつぼつ?もできるし。