ENCANTO★ミラベルと魔法だらけの家!
どの場面の歌もハズレなし!!!で大好きなんだけど、今ヘビロテで聴いているのが主人公の姉ルイーサの心の内が明かされるこの歌。
ご覧の通り、たくましい力自慢のお姉ちゃん。
Surface Pressure(日本語版:増していくプレッシャー)
おばあちゃんの代から家族それぞれギフト(魔法の力)で地域に貢献するマドリガル家。お姉ちゃんルイーサは魔法の力でダイヤモンドまでも砕ける力。ロバを軽々かついで運んだり、石橋や教会を移動したり、山だって動かせる怪力。
I glow 'cause I know what my worth is
だってそれが私のギフトだから。
自分が家族や地域のために貢献できる能力。
みんなそれを期待しているし、私もそれに応えたい。
だってそれは私にしかできないことなんだから。
I'm pretty sure I'm worthless if I can't be of service
自分を輝かせる価値、特別な能力、ギフト。
それが気がついたら、「自分の価値を決めるもの」になっていて、じわりじわりとプレッシャーになっていく。弱音をはいたら、失敗したら、自分が折れてしまったら・・・表面(surface)には出せない恐怖。
強いお姉ちゃんでいないと。
大丈夫、心配ない。あたしに任せな。
ルイーサのプレッシャーを象徴するものがおもしろい。
I'm pretty sure I'm worthless if I can't be of service
のラインで出てくるのがケルベロスと戦うヘラクレス。ヘラクレスはひえぇ~って逃げ出しちゃう。このラインでほんの一瞬うつむくんだけど、剣と盾を受け取ったルイーサはケルベロスに立ち向かう。
ヘラクレスってのは英雄の象徴だね。
これに続く歌詞に英語のことわざがあるよ!
The straw (in the stack) that breaks the camel's back
ラクダの背中をおしつぶす藁。日本語のことわざだと、仏の顔も三度まで、の4度目ってところかな?ぎりぎりまで持ちこたえていたバランスとか我慢の限界を超える一線、きっかけのこと。
Give it to your sister, your sister's older
お姉ちゃんに任せな、力持ちのお姉ちゃんに。
Give her all the heavy things we can't shoulder
重くて担げないものは、みんなあたしに。
Who am I if I can't run with the ball?
それができなきゃ、あたしがあたしじゃなくなっちゃう
take/pick up the ball and run with itってのはパスされたボールを受け取って走り出す、つまり仕事を引き受けるってこと。ここで地球を背負ってるのはギリシャ神話のアトラスみたい。
そのあとのシーンはまさにヒーローのポーズ&構図。
私がみんなを守ってるっていう責任感が、物理的な重さだけじゃなくて精神的な重さになってる。失敗したらどうしよう、守れなかったらどうしようって不安を隠してひとつガマンして耐えて乗り越えて、かと思ったらまたガマンして耐えて乗り越えないといけなくて、ガマンにガマンが重なってドミノみたい襲い掛かる。
雲の上をひょいひょいと跳ね回る空想のシーン。
もし期待からも重荷からも解放されたら・・・自分の楽しみとか、リラックスした時間を持てたら・・・
わかってんだけど、わかってんだけどね・・・
プレッシャーはポタポタしたたる水滴みたいに、じわじわとかさを増していく。表面張力でギリギリ持ちこたえてるイメージが、drip drip drip(ポタポタポタ)って音でうまく表されてるなぁ!!
Give it to your sister it doesn't hurt and
大丈夫、お姉ちゃんに任せな
See if she can handle every family burden
家族の負担をどうにかしてあげるんだから
Watch as she buckles and bends but never breaks
曲がったとしてもね、決して折れはしないのよ
ドスン!!と家につぶされるルイーサ。
それを跳ね上げて、ここのダンスかっくい~~~~の。
「あたしに任せな、大丈夫なんだから」ってチカラみなぎらせる表情とか。
「弱い私に価値はない」って思ってるからこそ、「重さなんて感じちゃいけない」って自分を一生懸命奮い立たせる。
魔法の家の危機を通して、ルイーサは「重さ」と「ゆるむこと」を受け入れるんだけど、その過程を見ててウゥ・・・(´;ω;`)となったよ。