息子イチ君(4歳)言葉の発達を観察していると、「音」だけの世界から「言葉」の世界に変化していく過程がほんとうに面白い。
言葉を覚える仕組みが垣間見える瞬間
大人になると当たり前のように話せる母語(日本語)。いざ外国人に「犬は、と犬が、というときの意味の違いは?」とか「語尾につける、ネとヨの違いは?」とか聞かれても上手く答えられないのは、言葉を「意味の組み合わせ」ではなく「意味の全体像」で捉えているからなんだな、と息子が母語を「使える」ようになっていく過程を見ていて改めて思う!!!
言葉を「使えるようになる」過程に注目すれば、外国語に応用できる・・・って考え方はもう新鮮でもなんでもないけど、まだこの「まずは全体像で捉える」感覚の重要性はあんまり認められてないように思う。
最近英語の取り組みとしても広まっている「英語絵本の読み聞かせ」は、この全体像を捉えることをとっかかりにしているわけだけど、細かいパーツ(文法や単語ひとつひとつの意味)の把握はまた別のハナシなわけで。
雰囲気はわかってるみたいだけど、正確な英語の文章の生産が出来ない、という悩みはよく聞く。でもこれは、私個人的にはこれは「悩み」ではなく「ファーストステップの順調に通過!!」と見る。
部品ひとつひとつの細部を教えて、それをルールに沿って組み立てるんじゃなくて、たくさんのカタマリを分解・比較・再構築しながら、ニンゲンはコトバを自分のモノにする。
多読、多聴のアプローチもこの言語習得のファーストステップがベースになってるんだろうと思う。
言葉のニュアンスの違いを捉える
最近おもしろかったのは、「イチ君のせいでびしょびしょになったよ~」という主人に「イチ君のせい、じゃなくてイチ君のおかげ!でしょ!びしょびしょになってよかったの!」と口答えしていたこと。
「~のせい」と「~のおかげ」って、どっちも原因を表してるけど、言葉の裏にある伝えたい気持ちが違う。こういうニュアンスの差を使い分けられるようになったんだな~。
ちょっと前まで「~してくれる」と「~してあげる」がごっちゃになってたけど、これも「自分の立場」という視点の違いで変わるびみょ~なニュアンスの違いがある。「XXなときは~してくれる、で◎◎のときは~してあげる、っていうのよ」なんて解説したことはもちろんないけど、なんとなしに訂正されたり大人たちが使っている場面を見聞きして、使うべき言葉を自分なりに選べるようになってきたようす。
言葉は場面とセットで覚える
「おれさぁ、今日夜勤なんだよ~」と言う4歳児にウケた。これは最近ハマってるくまのプーさんに出てくる台詞。
でも彼に「ヤキ(夜勤のンが抜けてる)ってお弁当のこと?」と聞かれて、夜勤の意味を勘違いしていたことが判明。このセリフ、プレーリードッグ?のキャラクターがお弁当を持ってきてあけながら言ってるんですね。
文章の中の進出単語「ヤキン」をピックアップして、状況・場面・発言者の行為から予測して把握していることが分かる実例ですな!!!
こうやって知っている語彙(知識)を足掛かりに、どんどん展開していくんだな~と感動、興奮。
お気に入りの絵本
絵も文章も、派手さが無いのに目が離せなくなる静かな美しさ。今の社会にも重なる、村(国)の範囲を超えた危機的状況の中、村を超えた人々も集まって・・・
人びとは、自分たちのために しんでいった ムースに かんしゃし、そのたましいのために いのりました。
人びとは それぞれのぶらくに 帰ると、いちばんいいにくは、男がいなくて、りょうに出られなかった かぞくに分け、あとは、みんなで びょうどうに 分けました。
この共同体の在り方、これからの時代に必要な態度だなぁ、と感動した。説教臭いマナーやモラルの絵本よりも、ずっと心に響く物語だと思う。
暗いところでみると、ぼんやり光って浮かび上がってくるのは・・・!!?電気をつけたり消したりしながらちょっぴりこわい?絵の変化を楽しむしかけ絵本。
ちょっぴり怖いけど、わくわくしちゃうドキドキ感に感情移入するのが楽しいのか、これもお気に入り。
これは、イチ君ストーリーのオチをちゃんと理解していないけど(笑)楽しんでいる絵本。はっきり説明されていないことや、絵や展開にほのめかされている情報をくみ取れるようになるのはいつなんだろう?と楽しみです。主人は「アホなんかな?」と半分おもしろがって、半分心配してますが(笑)
「アホなんかな?」エピソードで私のお気に入りなのは、ジャックと豆の木ミュージカル。お城の門番をしていた兵隊さんが、実はジャックの探していたお父さんだった!!という感動のシーン。
みんなで抱き合って再開を喜んでいる様子を見ながら、まさかの「お父さん、どこ?」発言。確かに、「私が君のお父さんだったんだよ」とはハッキリ言ってなかった。言ってなかったけども・・・
「ジャック・・・まさか、彼が?間違いない。あんなに大きくなって・・・」
「この姿じゃ、自分の正体を明かすことなんてできない」
(その後、魔法が解けて人間の姿に変わって)
「ジャック!」
「母さん!見て!!」
「会いたかったよ!」
(わーっと駆け寄ってエンディング)
この流れでわかるだろ!!!とツッコミたくなる爆笑発言でした。
大人が無意識に持ってる前提がひっくり返される、子どもの威力。
それから小学生くらいになればもっと楽しめるだろうなって絵本。
細かい絵、創造力が膨らむ「ぼくのロボット」!私もこの絵本に影響受けてロボットの設計図と、そのロボットが主人公の絵本を作ったっけな。
北極、アマゾン、カナダ、世界中のスポットと動物や生き物が描かれていて地理や生物図鑑のようにも楽しめる。
読み手のガンバリが求められる絵本(笑)
これは2歳くらいの時から喜んでたっけな。
最初に覚えたひらがなは、多分この絵本に出てくる「ぶ」の字。
似たようなおふざけ絵本(笑)で最近ベストセラーのこれも好き。
昔ばなしチックな絵本も、おもしろい。
さりげなく「数」のお勉強にもなっているおはなし。
これはティーンエイジャーくらいになればグッとくる絵本。4歳児のイチ君にはこの絵本のメッセージ性は全くわかっていないけど、絵や言葉のオモシロサが大好きみたい。
自分の行く道に迷ったときに、勇気と元気をくれる一冊。
英語絵本
英語版「君の行く道」もたまに読むよ。これは私の勉強用に。文章は短くて、韻を踏んでいる(著者ドクター・スースの得意技!)から読むのは難しくない。
そしてそして、またまた渋いチョイスをするイチ君。
これが大好きでね。うちには日英2言語吹込みの物語CDがあるんだけど、毎日のように自分でセットして聞き込んでました。 BGMも台詞も再現できるくらい。
昨日、ひとりで踊って遊んでいるイチ君の隣でパラパラめくって、絵本の中の英語を1フレーズ声に出して読んでみると、すかさず対応する日本語パートを朗唱しだしてびっくりした。試しにランダムに英文を言うと、ちゃんとその文章の日本語パートが返ってくる。「そこは覚えてなーい」と言われるところもあったけど、「こうやって全体で捉えてるんだな~」と感動。
もちろん(?)文法や英単語ひとつひとつの意味はわかってないけど、それは今後どこか(たぶん学校)で触れるたびに「ハッ!これはそういう仕組みだったのか!」と再発見していけばヨシ。
再発見するから、学びが面白くなるし、コトバも定着する。そのきっかけづくりになればいいね~とゆるく楽しんでます。
それにしても、最近は主人がいてくれるおかげで「お散歩」もものすごい距離をひたすら歩いてくれています。1日4キロくらい。昨日は雨だったから、ほぼ1日踊ってたし。私は体力ついていけない。
神楽にドはまりしている謎の4歳児。好きすぎて演目のイントロクイズができるくらい昨日は手作りの茅の輪(?)を主人にこしらえてもらって、おもちゃの剣とセットで肌身離さず持ち歩いてました。
鐘馗になりきって見えない敵(病魔?)と闘い、「ヨロコビの舞を、~~(←聞き取れない)つかまつりそうろ~~~う!」と叫んで舞う。おもしろすぎ。