面白いquoteを見つけた。
Conceptual knowledge is not enough...
you must have the conviction that comes from personal experience.
調べてみると、どこぞのお坊さんが書いた本の一文らしい。
「それが表す概念(意味)をただ知識として知っている言葉」と「その人が実感として持っている言葉」は、同じ言葉というカタチをとっていても説得力が全く違う。言葉の重量というか、質というか、なんかそういうものが違う。
言葉は意味を運ぶ入れ物で、もちろん箱だけ同じカタチにしておけば通じるんだけど、そこに中身があるから人の心が動かされるんじゃないかなって思う。
その中身を豊かにしてくれるのが、personal experience、自分自身の経験なんだ・・・ってなふうに私はこのquoteを読んで思った。
中身のある言葉は自分の中に残る
知識や情報は言葉そのもの、入れ物を指す。残念なことにこの入れ物、頭の中に入るとそのうち溶けてなくなってしまう。つまり、忘れちゃう。
でもその入れ物の中身はなくならない。箱がないから自在に引っ張り出せなくなっただけで、ちゃんと残っている。入れ物という制限がなくなる(=忘れる)ことで、中身が意識の及ばない深いところで混ざりあって新しいものが生まれたりする。これはだいたい眠っている時や、リラックスしているときに起こるようだ。
そしてその錬金術のたまものが「私らしさ」でもある。
だから、「忘れる」ことを恐れる必要はない。忘れた後に残るものが、いちばん大切なことだから。
今まであなた方が勉強してきたことは、これから一切役に立ちません。
社会人になっても、活かすことはできません。(一同、笑う)
だから、全部忘れなさい。忘れてしまいなさい。
全部リセットしてください。(一同、ざわつく)
全部リセットした後に、残ったものが一番大切なものです。
知識よりも大切なものを、あなた方はこの4年間で見つけたはずです。
何もかもをリセットしても残るものが、あなたにはあるはずです。
大学を卒業するときに、教授がくれた言葉。私の宝物。
「忘れる」ということについて、いつだったか外山滋比古氏の本を読んで鈍い衝撃を受けた。また読み返したい。
中身のある言葉を息子に
息子イチ君は「あぶげ〜うぶあ〜」と謎の呪文を叫びながら、全身で言葉を吸収している。この時期を活かすべく「言葉のシャワーを!」と声高に叫ばれるわけだけど、できればそれも血の通った言葉にしてあげたい、と個人的には思う。
言葉を知識・情報として子どもに注入するって考え方がどうしても好きになれない。
私は私の言葉で。その入れ物がすぐに溶けてしまったとしても、無意識に織り込まれた想いってやつは彼の中に残ると信じているから。
言葉ばかりがひとりあるきするこんな時代だからこそ、せめて今の時期くらいは言葉をリアルな存在として分かち合いたい。
最後に
ちなみに冒頭のquoteはこの本の中の一節のようです。
The Joy of Living: Unlocking the Secret and Science of Happiness
- 作者: Eric Swanson,Yongey Mingyur Rinpoche
- 出版社/メーカー: Bantam
- 発売日: 2009/08/13
- メディア: ペーパーバック
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Amazonのレビューも高評価だし、おもしろそう。気になる。でもまだKindleに読み終わってない洋書があるし、台湾から取り寄せた中国語の本も読み進んでないし、また読み返したい本もあるし・・・買ってもなかなか読む時間がとれなさそう(T_T)
ところでこの記事、カテゴリーはどうしよう。語学とあんまり関係ない?息子の話が出てきたから育児カテゴリー?