ことばのおもしろさ研究所

語学好きな母ちゃんが、子どもの言葉の成長と外国語学習の奥深さ、心に響いた本なんかを記録しているブログ。

沈黙

沈黙、それは肉体と頭脳と精神の絶対的な均衡。

沈黙、それは人格の礎。

 

自然の教科書―ネイティブ・アメリカンのものの見方と考え方

自然の教科書―ネイティブ・アメリカンのものの見方と考え方

 

 引用はこの本から。

 

「趣味は語学です」とブログタイトルにあるけど、私は外国語のスキルうんぬんよりも「ことばの面白さ」そのものに興味がある。だから息子が生まれてから彼が「ことば」を獲得する過程を観察するのがすごく楽しいし、それもこのブログで書き留めてる。

 

ことばの持つチカラの大きさ、大切さを学べば学ぶほど、ことばの裏側、沈黙」の大切さが強く強く印象付けられてきた。

 

悲しみや、病や、死…

あるいは、他のいかなる種類の不幸のただなかにあっても、

「沈黙」は尊敬をあらわすものであった。

およそ言葉などよりもはるかに力を持つもの、

ラコタの者たちにとって、

それこそが「沈黙」なのである。

-ルーサー・スタンディング・ベア(オグララ・スー)

 

 

 

 

それから子ども時代の「沈黙」や「孤独」、現代的な価値観だと好意的に受け止められない、「暗闇」について。心に響く力強いメッセージ。

 

 皆さんが失敗したり、敗北したり、悲嘆にくれたり、

暗がりに包まれたりした時、暗闇こそあなたの国、

あなたが生活し、攻撃したり勝利を収めるべき戦争のないところ、

しかし未来が存在するところなのだということを思い出してほしいのです。

私たちのルーツは暗闇の中にあります。

大地が私たちの国なのです。

どうして私たちは祝福を求めて、仰いだりしたのでしょう

周囲や足元を見るのではなく?

私たちの抱いている希望はそこに横たわっています。

ぐるぐる旋回するスパイの目や平気でいっぱいの空にではなく、

私たちが見下ろしてきた地面の中にあるのです。

上からではなく下から。目をくらませる明かりの中ではなく

栄養物を与えてくれる闇の中で、人間は人間の魂を育むのです。

 

 

世界の果てでダンス

世界の果てでダンス

 

  

子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)

子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)

 

 

 教育的な観点で、いわゆる「感覚」や「美意識」ではなく、脳科学者の視点からもこの「沈黙」の重要性を説いている。

 

人間には、外からの刺激を受けずに、ひとりで静かに過ごす時間にしか起こらない、内的な発達がある

 

よみがえれ思考力

よみがえれ思考力

 

 

 

 子どもと本のスペシャリストも、ことばを覚える前段階の重要性を強調していたのが面白かった。

子どもと本 (岩波新書)

子どもと本 (岩波新書)

 

 

ひとりでいることは、本を読むためにも、本を読むのに必要な力を育てるためにも、本を読んだあと、その内容を消化するためにも、欠かせない大切なこと

 

豊かな沈黙の時期、暗闇が

ことばを心に刻む力、ことばに対する信頼、想像力を目いっぱい伸ばしてことばの奥に世界を創り出す力

を育むんだな~、と。

 

 

 

「沈黙」と言えば哲学者ウィトゲンシュタインを思い浮かべる。

語りえぬものは語りえぬまま、ただし私の語るもののなかには自ずから語りえぬものも含まれている。

 

sonogono.jugem.jp